1-4. Zen of Python と PEP 8 の位置づけ

テクニック

結論

  • Zen of Python(PEP 20) は「Pythonらしさ」を示す哲学・格言集
  • PEP 8 はその哲学を日々の開発に落とし込むための実践ルール集
    両者を合わせて学ぶことで、単なる“動くコード”から“美しいPythonコード”へ進化できます。

この記事でわかること

  • Zen of Python(PEP 20)とは何か?
  • PEP 8とは何か?
  • 両者の関係性と役割分担
  • 実際の開発でどう使い分けるのか?

Zen of Python(PEP 20)とは?

  • Guido van Rossum(Pythonの生みの親)による「Pythonの設計哲学」をまとめたもの
  • import this と入力すればターミナルに表示される
  • 「美は醜に勝る」「明示は暗黙に勝る」など、19の格言で構成

特徴

  • 抽象的で哲学的
  • コードの書き方そのものよりも、考え方・価値観を示している
  • 言い換えれば、Python文化の憲法のような存在

PEP 8とは?

  • Pythonコミュニティが合意した公式スタイルガイド
  • 変数名、関数名、クラス名、インデント、空白、コメントの書き方などが具体的に記載
  • 「コードをどう書くべきか?」に答えてくれるルール集

特徴

  • 具体的で実務的
  • 誰でもすぐに実践できるチェックリスト形式
  • コード自動整形ツール(black, isort など)もPEP 8を基盤に動いている

ZenとPEP 8の関係性

Zen(思想)とPEP 8(ルール)は、よく 「心構えと行動指針」 に例えられます。

  • Zen = 価値観・哲学
    → 「美しく、明示的で、シンプルに」
  • PEP 8 = 実践方法
    → 「インデントはスペース4つ」「変数名はsnake_case」「行は79文字以内」

図解イメージ

Zen of Python(哲学)
        │
        ▼
     PEP 8(ルール)
        │
        ▼
  実際のコード(実装)

実務での活用イメージ

  • 設計・レビュー段階
    Zenを意識し「複雑にしすぎていないか?」「明示的に書けているか?」を確認
  • コーディング段階
    PEP 8を意識し「インデントは揃っているか?」「命名規則に従っているか?」をチェック
  • ツールによる自動化
    PEP 8のルールはツールに任せ、エンジニアはZenに基づいた設計・表現に注力

よくある疑問(初心者Q&A)

Q. ZenとPEP 8、どちらを先に学べばいい?
A. Zen → PEP 8 の順がおすすめ。
哲学を理解すると、PEP 8のルールが「単なるお作法」でなく「理由ある指針」として理解できます。

Q. PEP 8を全部覚えなきゃダメ?
A. 暗記する必要はありません。ツール(black, flake8など)を使いながら学べば自然に身につきます。

Q. Zenは抽象的でよくわからない…
A. 心配ありません。次章で一つずつ格言を解説していきます。


まとめ

  • Zen of Python = 哲学・心構え
  • PEP 8 = 具体的な行動ルール
  • 両者は補完関係にあり、どちらが欠けても「Pythonらしさ」は身につかない
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