9.1 国内外のAIガイドライン(ソフトロー、ハードロー、リスクベースアプローチ)

G検定

AI技術は急速に社会実装が進む一方で、利用に伴うリスクや社会的影響も大きくなっています。
こうした背景から、各国や国際機関では AIガイドライン が策定され、ソフトロー(指針)ハードロー(規制) の両面で枠組みが整備されつつあります。


ソフトロー(Soft Law)

定義

  • 法的拘束力を持たない倫理指針・ガイドライン。
  • 企業や研究者が自発的に遵守することを期待する。

代表例

  • OECD AI原則(2019年)
    • 人権尊重、公平性、透明性、説明責任を基本原則とする。
  • 日本のAI原則(2019年、経産省・総務省)
    • 人間中心、教育・リテラシー、国際協調などを掲げる。

特徴

  • 柔軟に適用可能で、国際的な合意形成に活用されやすい。
  • 罰則がなく、実効性が弱い。

ハードロー(Hard Law)

定義

  • 法的拘束力を持ち、違反すれば罰則が科される規制。

代表例

  • GDPR(EU一般データ保護規則)
    • 個人データの収集・利用を厳しく規制し、違反時には巨額の制裁金。
  • EU AI Act(2024年成立予定)
    • 世界初の包括的AI規制法。リスクベースアプローチを採用。

特徴

  • 実効性が高く、事業者の行動を強制できる。
  • ただし技術進歩に追随しにくい面もある。

リスクベースアプローチ

定義

  • AIの用途やリスクレベルに応じて、規制の強さを変える考え方。

EU AI Actの分類例

  • 許容できないリスク:社会信用スコアリング、差別的監視 → 原則禁止
  • 高リスクAI:医療診断、雇用審査、司法分野 → 厳格な規制
  • 限定的リスク:チャットボット → 情報開示義務
  • 最小リスク:AI搭載ゲームなど → 規制なし

👉 試験頻出:「EU AI Actはリスクベースアプローチを採用している」。


国内外の比較

項目日本欧州(EU)国際機関
ソフトローAI原則(経産省・総務省)倫理ガイドラインOECD AI原則
ハードロー個人情報保護法GDPR・EU AI Act
特徴自主規制中心法規制を強化国際的枠組みを主導

出題チェック

  • 「ソフトローとハードローの違いは?」
  • 「EU AI Actが採用する考え方は?」
  • 「OECD AI原則のキーワードは?」

練習問題(例題)

問題:EU AI Actが採用するAI規制のアプローチとして最も適切なものはどれか?

  1. 自主規制アプローチ
  2. リスクベースアプローチ
  3. 完全禁止アプローチ
  4. 技術中立アプローチ

👉 正解:2

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