8.6 AI開発委託契約

G検定

AIシステムの導入においては、自社開発ではなく外部ベンダーに委託するケースが多くあります。
その際、契約内容が不明確だと「期待した性能が出ない」「知的財産の帰属が不明確」などのトラブルにつながります。
ここでは AI開発委託契約 における重要なポイントを整理します。


契約形態

請負契約

  • 成果物の完成に対して報酬が支払われる形式。
  • 例:AIモデル(学習済み)の納品。
  • 特徴:完成責任をベンダーが負う。

準委任契約

  • 作業そのものの遂行に対して報酬が支払われる形式。
  • 例:データの前処理、アルゴリズムの検証支援。
  • 特徴:成果保証はなく、作業義務のみ。

👉 試験ポイント:「請負=完成責任、準委任=作業義務」。


成果物の範囲

  • 学習済みモデル
  • ソースコード
  • 学習データ(加工データを含む)
  • ドキュメント(モデル仕様書、精度検証レポート)

👉 どこまでを「納品対象」とするかを契約で明示する必要がある。


知的財産権の帰属

  • AIモデルやソースコードの著作権、特許権の帰属先を明確にする。
  • 開発委託では「発注者に帰属」とするケースが多いが、学習済みモデルの再利用可否を巡って争いになることも。
  • 契約で 利用範囲・二次利用の可否 を明記することが重要。

性能保証と責任

  • AIは確率的に動作するため、成果物に「100%の精度保証」を盛り込むのは困難。
  • 一般的には「一定の精度を目指す努力義務」にとどめる。
  • 想定外の利用による損害は、責任範囲を限定する条項で調整する。

秘密保持

  • 学習データに顧客の営業秘密や個人情報が含まれる場合が多い。
  • 秘密保持契約(NDA) でデータの利用範囲・保存期間を定める必要がある。

まとめ

  • 契約形態:請負契約か準委任契約かを区別。
  • 成果物の範囲:モデル・コード・データを明示。
  • 知的財産権:帰属先と利用範囲を契約で定める。
  • 性能保証:過度な保証は避け、努力義務とするのが一般的。

出題チェック

  • 「請負契約と準委任契約の違いは?」
  • 「AI委託契約で重要な成果物とは?」
  • 「知的財産権を巡ってトラブルになりやすいのは?」

練習問題(例題)

問題:AI開発委託契約において「完成責任」を負う契約形態はどれか?

  1. 準委任契約
  2. 請負契約
  3. 賃貸借契約
  4. 委任契約

👉 正解:2

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