AIの研究開発やサービス提供においては、特許や著作権だけでなく 不正競争防止法 も重要です。
特に「営業秘密」や「データの不正取得」に関する規制は、AIの学習データやモデルの保護に直結します。
不正競争防止法の概要
目的
- 公正な競争を確保し、事業者の利益を不当な行為から守ること。
- 特許などの形式的な権利で保護できない資産(データ・ノウハウなど)を守る役割。
営業秘密の保護
営業秘密の3要件
- 秘密管理性:アクセス制限やパスワード管理など、秘密として管理されていること
- 有用性:事業活動に役立つ情報であること
- 非公知性:一般に知られていないこと
対象となる情報の例
- 学習データセット
- 学習済みAIモデル
- 特徴量設計やハイパーパラメータ調整ノウハウ
👉 試験ポイント:「営業秘密=秘密管理・有用性・非公知性の3要件」。
データの不正取得規制
背景
- AI分野では「データが資産」であり、不正利用や盗用のリスクが増大。
- 改正不正競争防止法(2018・2023年改正)で「データ不正取得」が規制対象に明記された。
主な禁止行為
- 不正に入手した営業秘密やデータの使用・開示
- 不正アクセスによるモデル・データの窃取
- クラウド上の学習済みモデルを不正にコピーする行為
実務での対応ポイント
- データ管理体制の整備:アクセス権限・ログ管理
- 契約での明確化:委託契約・共同研究契約で秘密保持を義務付け
- リスク対策:クラウドサービス利用時には利用規約・セキュリティ水準を確認
まとめ
- 不正競争防止法は 営業秘密やデータ資産 を保護する。
- 営業秘密の3要件(秘密管理・有用性・非公知性)を満たす必要がある。
- AIの学習データやモデルも保護対象になる。
- 改正により「データの不正取得」も明確に規制対象となった。
出題チェック
- 「営業秘密の要件は?」=秘密管理性・有用性・非公知性
- 「不正競争防止法で保護されるのは?」=営業秘密や不正取得データ
- 「学習済みモデルは不正競争防止法で守られるか?」=営業秘密として守られる場合がある
練習問題(例題)
問題:不正競争防止法において「営業秘密」として認められるために必要でない条件はどれか?
- 秘密管理性
- 有用性
- 非公知性
- 特許出願済みであること
👉 正解:4