8.3 特許法
AI技術の発展に伴い、知的財産権、とりわけ 特許法 が大きな役割を果たしています。
AI関連の発明は特許の対象になる場合がありますが、アルゴリズムや数理モデルそのものは保護対象外です。
ここではAIと特許の関係を整理します。
特許法の基本
特許の対象
- 「発明」= 自然法則を利用した技術的思想の創作 であり、産業上利用可能なもの。
- 保護期間は出願から20年。
要件
- 新規性:既存の技術と異なること。
- 進歩性:当業者にとって容易に想到できないこと。
- 産業上の利用可能性:産業に利用できること。
AI分野における特許の扱い
特許対象となるもの
- 技術的効果を伴う応用
- 例:医療画像診断支援システム
- 例:自動運転における物体検出方法
- 例:省エネ制御を行うAIシステム
特許対象外となるもの
- 数学的手法そのもの
- 例:ニューラルネットワークの学習アルゴリズム
- 例:行列演算の数理的工夫
- これらは「自然法則を利用した技術」ではなく、単なる数理的アイデアとみなされる。
実務上のポイント
- 特許出願件数の増加
- 自動運転、音声認識、画像処理分野を中心に急増。
- AI関連特許の戦略
- 技術的応用を強調して「発明」として出願する。
- 学習済みモデルやデータセット自体は特許よりも不正競争防止法で守られるケースが多い。
まとめ
- 特許法は 技術的効果を伴うAI応用 を保護する。
- アルゴリズムや数理モデル単体は特許対象外。
- 自動運転、医療診断支援など応用領域でAI特許が増加している。
出題チェック
- 「アルゴリズム単体は特許になるか?」=ならない。
- 「特許対象となる条件は?」=新規性・進歩性・産業上の利用可能性。
- 「AI関連の特許出願が増えている分野は?」=自動運転、医療、画像処理。
練習問題(例題)
問題:次のうち特許法で保護対象となるものはどれか?
- ニューラルネットワークの学習アルゴリズムそのもの
- 行列演算の数学的手法
- 医療画像診断を補助するAIシステム
- データセットの集合
👉 正解:3