AIの学習や生成物の活用において、必ず問題となるのが 著作権法 です。
著作権は「人の思想・感情を創作的に表現したもの」に与えられるため、AIが生成したコンテンツやデータ利用には特有の論点があります。
著作権の基本
定義
- 著作物:思想・感情を創作的に表現したもの(小説、音楽、絵画、プログラムなど)。
- 保護対象外:事実、データそのもの、アイデア、法令・判決など。
権利の種類
- 著作者人格権:氏名表示権・同一性保持権(譲渡不可)。
- 著作財産権:複製権、翻案権、公衆送信権など(譲渡可能)。
AI生成物の著作権
現状
- 日本の著作権法では「人間以外の創作物」には著作権は認められない。
- AIが自律的に生成した画像や文章 → 著作権なし。
- ただし、人間が創作的関与(プロンプト設計、編集)した場合は「著作物」と認められる可能性あり。
実務上のポイント
- AI生成物には著作権がなくても、利用規約や契約で利用制限がかかる場合がある。
- 例:ChatGPTやStable Diffusionの利用規約。
👉 試験頻出:「AIが自律的に作成した生成物には著作権がない」。
データ利用と著作権
学習データ
- 日本では著作権法第30条の4により「情報解析のための利用」は許容。
- → 機械学習の学習用データ利用は適法(商用利用も含む)。
- ただし、生成物を公開・頒布する際は著作権侵害の可能性あり(原作の表現を再現した場合)。
データベース
- データベースの著作権は、情報の「選択・体系的構成」に創作性がある場合に保護対象。
- 単純なデータ集合(例:電話帳)には著作権が及ばない。
著作権とオープンデータ
- Creative Commons (CC) ライセンスなどに従って利用する必要がある。
まとめ
- 著作権は人間の創作物に与えられる。AI生成物は基本的に保護されない。
- 学習データ利用は原則合法(第30条の4)。ただし生成物の利用は注意が必要。
- データベースの著作権は「創作的な構成」に依存。
- 実務では法律に加えて「利用規約」を必ず確認する。
出題チェック
- 「AIが完全自律的に生成した文章や画像の著作権は?」=存在しない。
- 「学習データ利用は違法か?」=情報解析目的なら合法。
- 「データベースの著作権の要件は?」=情報の選択や体系化に創作性がある場合。
練習問題(例題)
問題:日本の著作権法において、AIが自律的に生成したコンテンツに関する正しい説明はどれか?
- 人工知能に著作者人格権が認められる
- 著作権はAIを開発した企業に自動的に帰属する
- 著作権は存在しない
- 特許法で保護される
👉 正解:3