5.3 音声処理(音声認識、WaveNet、CTC、話者識別など)

G検定

音声処理は、人間の「声」を対象とするディープラーニング応用分野です。
音声の波形データは連続値かつ時系列的な性質を持ち、テキストや画像とは異なる扱いが必要です。
本節では、音声認識・生成・話者識別に関連する代表的技術を整理します。


音声認識(Speech Recognition)

背景

  • 以前はHMM(隠れマルコフモデル)+GMM(ガウス混合モデル)が主流。
  • ディープラーニング導入後、DNN/RNN/CTC によって性能が飛躍的に向上。

特徴

  • 音声波形 → 音響特徴量(メル周波数ケプストラム係数など) → テキストに変換。
  • エンドツーエンドモデル(入力波形から直接テキストを出力)が近年主流。

応用

  • 音声アシスタント(Siri, Alexa, Google Assistant)
  • 自動字幕生成
  • 医療・コールセンターでの文字起こし

👉 試験頻出:「ディープラーニングによりHMMベースからエンドツーエンド型音声認識へ移行した」。


WaveNet(音声生成モデル)

特徴

  • Google DeepMindが2016年に発表。
  • CNNベースの生成モデルで、高品質な音声波形を生成可能。
  • 従来の音声合成(統計的手法、単位選択方式)よりも自然な音質を実現。

応用

  • 音声合成(Text-to-Speech, TTS)
  • ボイスアシスタントの自然音声化
  • 音楽生成

👉 試験ポイント:「WaveNetは自然な音声合成を実現したモデル」。


CTC(Connectionist Temporal Classification)

背景

  • 音声データは「入力と出力が一対一で対応しない」問題がある。
    • 例:音声の長さと文字数は一致しない。

特徴

  • 入力系列と出力系列の長さが異なる場合でも学習可能。
  • 空白トークン(blank)を導入してアライメントを自動的に学習。

応用

  • 音声認識(特にエンドツーエンド型)
  • 手書き文字認識

👉 試験頻出:「CTCは音声認識で入力長と出力長が異なる問題を解決する」。


話者識別(Speaker Recognition)

定義

  • 話者確認(Speaker Verification):本人かどうかを確認。
  • 話者認識(Speaker Identification):誰が話しているかを特定。

技術

  • 音声特徴量(声紋)をディープラーニングで表現。
  • Embedding(d-vector, x-vector)を用いて個人の特徴を抽出。

応用

  • セキュリティ認証(声によるログイン)
  • 法医学的利用(犯罪捜査)
  • 個人化サービス(ユーザーごとの声認識精度向上)

👉 試験ポイント:「話者識別は声の特徴(声紋)を使って個人を識別する技術」。


まとめ

  • 音声認識:HMMからディープラーニング型へ移行、エンドツーエンド学習が主流。
  • WaveNet:高品質な音声生成を可能にしたDeepMindのモデル。
  • CTC:入力と出力の長さが異なる系列データを扱う手法。
  • 話者識別:声の特徴を使った認証・識別。

出題傾向

  • 「WaveNetの特徴は?」=自然な音声合成
  • 「CTCはどのような問題を解決するか?」=入力長と出力長の不一致
  • 「話者識別と話者確認の違いは?」
  • 「音声認識技術の進化は?」=HMM→DNN→エンドツーエンド

練習問題(例題)

問題:音声認識において「入力系列と出力系列の長さが異なる問題」を解決するために用いられる手法はどれか?

  1. WaveNet
  2. CTC
  3. LSTM
  4. GAN

👉 正解:2

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